ケイキプラス代表

川村 悟士
2007年に新卒で不動産投資ファンドの運用会社に入社し、不動産の評価・投資、ファンド運用を4年間経験。その後、UBS証券等で投資銀行業務(M&A・資金調達のアドバイザリー、財務モデリング等)を6年間経験。2017年に正社員数10名の㈱アシロのCFOに就任。管理部門をゼロから構築し、主幹事証券審査を通過して2年間で東証審査に到達。合計4年の上場準備を経て、2021年に東証グロース市場に上場。取締役CFOとして在籍した8年間で、売上、正社員数ともに約10倍の規模に成長。2025年1月の定時株主総会を以って退任し、当社を創業。
各サービスへの思い
取締役会・経営会議の資料整備の重要性
前職に入社後、真っ先に取り組んだことの一つは、取締役会・経営会議の資料フォーマットの整備でした。
経営戦略を議論する最重要会議体である取締役会・経営会議には、意思決定に必要十分な情報が提供されるべきです。また、経営者自身は事業の状況を熟知していても、組織化して他社との競争に打ち勝っていく上では、幹部陣や社外役員、KPI単位では従業員にも同じ情報が共有されて課題意識を持つ必要があることから、一定の工数がかかっても資料化する重要性は高いと考えています。加えて、資料に記載がなく経営陣が見ていない数字は現場も軽視しがちになり、結果として成長機会を逃すことにつながりかねません。
イメージしているものは、航空機のパイロット席の計器類のような役割を果たす資料であり、その資料を見れば様々な観点から、目的地にむけて順調に飛行できているかどうかが分かる資料です。
ケイキプラスでは、単なる資料作成の代行ではなく、持続的な成長の実現という目標にむけてKPIの分析・議論も行い、効果的なKPI管理と意思決定を支える資料フォーマットの整備を行ってまいります。
資料作成の工数への課題意識
毎月、取締役会・経営会議の資料作成を行う過程で痛感したのが、非効率な作業の多さでした。
Excel間でのデータのコピペ作業、作成した表やグラフをPowerPointに貼り付ける単純作業が多く、さらに月次決算の数値が変更になると、やり直しの作業が一部発生します。
毎月同じ作業が発生することから何とか効率化出来ないかと思い、ニーズに適したサービスがないか探したものの該当するものが無かった経験を踏まえ、自身でプログラムを組んで資料作成省力化サービスを立ち上げました。
プログラムによる自動化によって単純作業から解放されれば、取締役会・経営会議の前の重要な時間に、本来注力すべき議案の作り込みやデータ分析により多くの時間を使えるようになり、より質の高い経営判断に貢献できるものと考えています。
予算策定は、未来予想と同時に未来を実現に近づけるもの
予算策定の意義は、経営者のビジョンを具体的な数字に落とし込んでその実現可能性を裏付けるとともに、KPIの積み上げで作成することによって毎月の予実比較を可能にし、計画策定後にその実現に近づきやすくすることだと考えています。
投資銀行業務で財務モデリングを学ぶとともに、CFOとして予算策定後の予実分析を実践してきた経験から、経営者の描く未来予想図のKPI単位での可視化を支援してまいります。
上場準備をゼロから推進
前職には管理部門人材が誰もいない状態で入社し、ゼロから上場準備を推進しました。
結果として入社後2年で主幹事証券審査を無事通過し、東証審査に到達いたしました。
また、一度上場申請を見送り、その後2年で再度の主幹事証券審査、東証審査を経て、合計4年で東証グロース市場に上場いたしました。
多くの会社にとって、上場準備は通常の事業運営にプラスアルファで加わる業務であるとともに、経験がない場合には勘所や優先順位が分かりづらい業務となります。
上場準備会社では外部のアドバイザーをうまく使うことが望ましいと思っていますし、私自身も外部のアドバイザーに一部支援いただくことがありましたので、上場準備支援を提供サービスの一つとしております。
また、投資銀行での経験も踏まえ、資金調達・M&AとIPOの本質は変わらないと実感しています。資金調達・M&Aの買い手は特定、IPOの買い手は不特定多数という違いや、IPOには一定の管理体制が求められるだけで、求められる本質は同じです。
上場準備における多様な論点に対して当事者として対応し、手を動かし続けてきた経験をもとに、包括的にサポートしてまいります。
資金調達・M&Aは最重要な転換点の一つであるからこそ慎重に
UBS証券等で資金調達・M&Aアドバイザリーといった投資銀行業務を経験してまいりました。
また、前職では当事者の立場で資金調達やM&Aを3件実行しています。
資金調達・M&Aでは、特定の買い手からアプローチがあって検討・交渉を開始することがあると思いますが、(バリュエーション目線やシナジーの有無、リスク許容度、手元資金の多寡などの違いによって)買い手によって提示できる価格が異なっていること、特定の買い手のみとの交渉では競争環境が働かないこと等から、最初から特定の買い手のみと会話・交渉した場合、より良い条件を得られる可能性は少なくなります。
また、買い手から正当な評価を受けるには、ビジネスモデル・成長可能性を分かりやすく資料に落とし込み、財務モデルにも反映するとともに、ネガティブに捉えられる恐れのある事項は先に論点を潰しこんでおくといった事前準備が重要になります。
資金調達・M&Aは企業が取るコーポレートアクションの中で最も大きなものの一つであるからこそ、多様な買い手候補へのアプローチと入念な事前準備が必須と考えており、これまでの経験をもとに、経済的条件はもとより資金調達・M&A後の企業成長も含め、より良い未来の実現にむけて支援してまいります。